キャッシュフロー経営

初心者にもおすすめの無料会計ソフト

初心者にもおすすめの無料会計ソフト

事業を経営するにあたって、記帳や仕訳といった日々の会計業務は欠かせないものです。

円滑に確定申告を行うためにも必要な業務ですが、手間がかかることに頭を抱えることも少なくありません。

会計ソフトを導入すれば、それらの業務の負担を減らせるかもしれません。

しかし、会計ソフトの導入といっても、どういった基準で選考すればいいのか分からなければ、抵抗もあるでしょう。

無料で使える会計ソフトと選び方を紹介します。

古藤 靖憲

株式会社Balance Network / freee認定アドバイザー3名在籍

税理士事務所で財務会計の道を歩んで10年、「企業にとってあるべき社外パートナーの役割とは?」を追求し続け、「その会社が永続的に成長し続けることのできる財務環境を整えること」がその答えであると、31歳のときに独立し、株式会社バランスネットワークを設立。

会計ソフトとは

会計ソフトとは、企業活動における会計業務全般を一元化することで効率化を図るためのソフトウェアです。

事業に関する多種多様な会計処理の業務を一元化でき、業務全体の迅速化が見込めます。

データの自動取り込み機能を使って手作業とミスを低減し、効率化を実現できます。

また、計算を行いやすいだけでなく、総勘定元帳、現金出納帳や売掛・買掛帳、損益計算書、貸借対照表、月次決算書などさまざまな種類の帳簿・帳票を作成、出力することが可能となります。

お金の流れを効率的に知ることができるので、扱う金額や取引先が少ない事業者であっても、会計ソフトを導入することで業務の効率化が可能となります。

会計ソフトの役割

会計ソフトの役割

会計ソフトには、それぞれの会計業務にまつわる役割があります。

ソフトによって財務会計に強い、管理会計に強いなど分かれるため、選ぶ際の指標となります。

財務会計

財務会計とはあらゆる会計情報を決算報告書として、投資家や株主など利害を共有する相手に対して情報を開示するための会計業務です。

公正公平な取引を実現するために企業は自社の経営状況を外部に伝える義務があります。

最終的に貸借対照表と損益計算書を中心に財務諸表にまとめます。

会計ソフトは財務会計において、正確な会計情報の提供と迅速な決算報告書を作成、提供するという役割を担います。

管理会計

管理会計とは、会社の経理状況をレポートにまとめ、組織の経営陣が事業計画や経営計画を立てるための判断材料に使います。

管理会計はその会社独自の会計帳票を作成している場合が多く、形式は一定ではありません。

会計ソフトは一般的にカスタマイズ可能な会計帳票作成という機能を有します。会社の管理ルールに従って会計情報を収集し、会計帳票としてまとめます。

会計ソフトを利用すれば一部の作業を自動化でき、会計帳票を迅速に作成できるため、効率的に業務を行えます。

会計ソフト導入の利点

会計ソフトは、簿記や会計の知識がない方であっても会計関連の書類を作成できるように、取引画面がシンプルに設計されているサービスが多く存在しています。

会計の知識が必要な業務でも会計ソフトを使うことでスムーズに会計処理を行うことが可能です。

またレシートのスキャン機能や機械学習による自動仕訳機能など、日々の業務を効率的に行うための機能が搭載されているものもあります。

紙の領収書を手作業で仕訳することなく業務を行えるため効率的です。

さらには、ソフトを使って作成した確定申告書類を電子申告機能から提出できるため、税務署へ行く手間を省くことができます。

会計ソフトの種類

会計ソフトには利用方法によって2種類のものがあります。

クラウド型会計ソフト

クラウド型の会計ソフトは、サービスを提供する会社に対して毎月の利用料金を支払い、インターネットのサーバー上で利用する会計ソフトのことです。

会計業務で使用する端末ごとのインストールが不要なため、インターネットが利用できる環境さえあれば、いつでもサービスを利用できます。

またスマホやタブレットにも対応しています。

クラウド会計ソフトのメリット

クラウド会計ソフトのメリット

クラウド型の会計ソフトは、導入にあたっての初期費用を安く抑えることができます。

毎月の利用料金が発生しますが、無料で利用できるプランもあり、低コストで導入・運用ができます。

ひとつの契約で複数の端末から利用できるため、端末の買い替えや、ソフト本体の買い替えも不要で柔軟に運用することができます。

インターネットブラウザから利用できるソフトなので、場所や端末を問わず利用可能で、スマートフォンやタブレットなどの電子機器からでも利用できることもメリットの一つです。

またクラウド型の会計ソフトは操作画面がシンプルに設計されているサービスも多く、会計や簿記の知識がない初心者の方でも使いやすいようになっています。

専門知識が無くとも選択肢を選んでいくだけで書類を作成できるものもあり、総じて導入、運用がやりやすいタイプのソフトウェアとなっています。

アップデートに関しても運営会社が行うため、ユーザーは常に最新のサービスを利用できます。

インストール型会計ソフト

インストール型会計ソフトは、ショップなどで販売されているソフトウェア本体を購入し、端末ごとにインストールして利用する会計ソフトのことです。

初期費用は高いですが、基本的に毎月の利用料金は発生しないため長期間の利用に向いているといえます。

インストール型会計ソフトのメリット

インストール型の会計ソフトは、最初に本体を購入するため初期費用こそ必要ですが、基本的に月額や年額でのランニングコストは発生しません。

そのため長期間の利用を想定した場合、クラウド型の会計ソフトよりコストパフォーマンスが高くなる場合があります。

端末ごとにソフト本体をインストールして利用するため、インターネットが利用できない環境下でも使用できます。

また、ネットワーク経由の情報漏洩も防ぐことができます。

インストール型の会計ソフトは、複雑な税務処理に対応している場合も多く、専門的な計算を行うことが可能です。

基本的な会計業務以外に複雑な業務を行いたい場合におすすめです。

会計ソフトを選ぶ際の注意点

特に無料の会計ソフトを選ぶ場合には、いくつかの注意点があります。

注意すべき点を理解した上で導入することが望ましいでしょう。

機能の制限

利用期間の制限もなく、無料で利用できる会計ソフトもありますが、基本的に使える機能に制限が設けられています。

基本的な業務、勘定科目の仕訳などはできますが、次のような制限があることが考えられます。

・仕訳件数に上限がある

・データ出力数に上限がある。

・利用可能なユーザー数、同期端末数に上限がある

・取引データの閲覧に制限がある

・申告書の書き出しが行えない

制限のある会計ソフトを使っても、望んだとおりに業務の効率化が行えない場合があります。

事業の規模等によってはどんな会計業務も満足に行えないといった事態も考えられるので、導入の際には機能制限についても確認することが望ましいです。

サポートが受けられない

会計ソフトを利用する場合、電話やチャットでのサポートを受けられることもメリットになり得ます。

ソフトの使い方に限らず、会計や確定申告に関して不明な点を質問でき、回答を得ることができます。

しかし無料のソフトでは、サポートが受けられない、リアルタイムでの質問の応答ができないなど、内容が限られてしまいます。

会計知識に自信がない場合や、会計業務に不慣れである場合は、充実したサポート体制が整っている有料ソフトを利用した方が良い場合もあります。

トライアル期間

無料の会計ソフトとして紹介されている会計ソフトの中には、期間限定で無料のものがあります。

本来有料のソフトを設定されたトライアル期間中だけ制限付き無料で利用できるという内容のため、長期利用は想定されていません。

経営者や担当者が実際に導入する会計ソフトを選ぶ際に、機能や操作性などの使い勝手を試す目的で導入することができます。

初心者の場合でも、無料で試してから実際の導入を検討できます。

無料で始められる会計ソフト

無料で利用開始できるクラウド型の会計ソフトを紹介していきます。

トライアル期間が設けられているため、無料での利用が可能です。基本的には有料のソフトなので、昨日は充実しており初めての会計ソフトを無料で試したいという方におすすめです。

freee会計ソフト

freeeは30日間のトライアル期間が設けられています。

プランには個人向けのものと法人向けのものがあります。

トライアル期間を過ぎた後に有料プランに移行しなかった場合は、無料プランとして継続可能です。

無料プランでは直近1か月以外のデータの閲覧・編集が制限されるほか、10データ以上の帳簿データのCSV/PDF、取引データの出力、決算書類・確定申告書類の出力が制限されます。

閲覧が制限されるだけで入力したデータ自体は消えてしまうことはないため、有料プランに移行すれば閲覧・編集が可能となります。

また無料プランではサポートを受けられないため、サポートを受けたい場合は注意しましょう。

自動的に有料プランへ移行することはないので、会計ソフトを試しに使ってみたいという場合は30日間のトライアルへの登録をおすすめします。

また、直感的に操作可能な分かりやすい入力画面が設定されているため、複雑な操作や特別な知識などは不要です。

基本的な使い方は、レシートをカメラで読み込むだけです。

自動的に経費が入力されます。

溜まってしまったレシートでも簡単に処理できます。

確定申告にも対応しており、質問に答えていくだけで確定申告書類が完成します。

電子申告にも対応しているため、作成した書類はそのまま提出できます。

マネーフォワード

マネーフォワードは、個人事業主や小規模事業者・中小企業向けのプランに1ヵ月間のトライアル期間が設けられています。

トライアル終了後に有料プランに移行しなかった場合は、フリープランになります。

フリープランでは1年間の仕訳登録件数が50までと制限されていますが、そのほかの機能に制限はありません。

マネーフォワードの最大の特徴は各種サービスとの連携です。

銀行やカード会社のほかにも、モバイルSuicaWAONといった電子マネー各種、Amazon、楽天などの通販サイト、クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサイトなど、様々なサービスと連携しています。

やよいの青色申告

会計ソフト大手である弥生が個人向けのクラウド会計ソフトとして展開しているのが、やよいの青色申告オンラインです。

やよいの青色申告オンラインのプランのうち、セルフプランであれば1年間無料で利用できます。

機能は有料プランと同様のため、充実した機能がすべて使い放題です。

有料プランとの違いはサポートの有無です。

セルフプランでは設定などすべて自分自身で行う必要がありますが、有料プランであれば電話サポートを受けることもできます。

最もサポートが充実したトータルプランの場合は、ソフトの使い方以外に会計に関する様々な疑問への対応も行っています。

セルフプランではサポートこそ受けることができませんが、FAQが充実しており、問題の多くはそこで解決できます。

加えて、大手の弥生ならではの魅力として書籍で情報を得られやすいことが挙げられます。

初めての確定申告に不安があっても、各種ムック本等の書籍を利用できます。

ユーザーが多いため、インターネット上で情報を得やすいことも利点の一つです。

やよいの白色申告

確定申告時に白色申告を行う場合、やよいの白色申告オンラインが利用できます。

フリープランを選択すると、無料でサービスを利用し続けることができます。

青色申告と同様に、無料プランでは電話などのサポートを受けることができず、自分でFAQなどを使う必要があります。

また、その名の通り白色申告を行うものであるため青色申告は行えないということには注意しましょう。

会計ソフト選びのまとめ

会計ソフトはクラウド型とインストール型に分けられ、それぞれにメリットがあります。

クラウド型のソフトには利便性が高く初期費用が安いという利点があります。

インストール型はランニングコストが不要で、長期利用の際にはコストパフォーマンスが高くなります。

また、無料プランと有料プランがあり、利用できる機能に違いがあります。

無料プランはコストを抑えられますが、機能やサポートに制限が設けられているため、初心者の方がお試しで使うことには向いていません。

その場合、有料プランのトライアルを利用すると良いでしょう。

プランには個人事業主向けプラン、中小企業向けプラン、上場企業向けプランなど用意されている場合があります。

事業の規模等によって必要な機能が異なるため、自社にとって必要な機能が利用できるプランを選択する必要があります。

会計ソフトは便利ですが、すべての利用者にとって最適なサービスであるとは限りません。

導入に際しては、どのような機能が必要であるか、導入によって業務効率化を図れるかなど、比較して見極める必要があります。

株式会社バランスネットワークはfreee認定アドバイザーを保有し、熊本を元気にしていくため、キャッシュフロー経営に特化した活動を行っています。

会社の目的を明確にし、キャッシュフロー利益を確保するための計画立案から実行までのチーム構築と運用サポートを行います。